ICF準拠 臨床実習の進め方(案) ※随時加筆中

コメディカルに置いて、患者を評価することは最も重要である。

ただし、この評価というのを拡大解釈しすぎてしまい、帰納的思考や演繹的方法を混在させてしまい、初学者に取ると達成感を得られにくい活動となっている。

 

さらに感覚的な情報処理が多く、他者に伝えるのは大変難しい。

 

今回は国際生活機能分類 いわゆるICFを基盤にした臨床実習進行方略案を記載する。

 

なお、この進行方略によって得た不利益に関しては、責任を負いかねるので、留意してほしい。

 

また、内容については「ICFの理解と活用」 上田敏著 「生活機能とは何か ICF:国際生活機能分類の理解と活用」大川弥生著 などを参考にしている

ICFによる進行手順

  1. ICF概念に基づき「活動」と「参加」を中心に、対象者の全体像を俯瞰する(これを「現況概念」とする)
  2. 次に「真のニーズ」と「セラピストの考えるProblem」の統合を行い、具体的なゴール設定を行う。(明確な期限をつけて)
  3. 介入ポイントとその現況たらしめている因果関係の仮説を検査や測定などで明らかにしていく
  4. 仮説立証が正しければ介入に移り、不正確で有れば「活動」と「参加」の小・細項目による評価、さらには「環境因子」「個人因子」の精度を上げる

ーーーーーーーーここまでが 評価臨床実習のゴール ーーーーーーーーーーー

  1. 検証された仮説を基盤に介入によりどのような状態になるべきか「未来の概念」を作成する。さらに変更点を明確に表記しておく
  2. ニーズにより設定した期限内の介入を行う(介入途中による大きな方針変更をしないようにする)
  3. 期限直前において、介入による能力拡大点について検査・測定などを通して確認する
  4. 「未来の概念」と見比べ、達成率を表現する

ーーーーーーーーここまでが 総合臨床実習のゴール ーーーーーーーーーーー

真のニーズとは?

上記の図のような、関係性がニーズとして構成されている。

 

最も難しいのはデザイアの抽出となる。

デザイアに関しては、肯定的解釈と、逆説的解釈を考えることで、思考の拡大を狙う。

 

例) デマンド: リハビリテーションにいきたくない

肯定的デザイア: 担当セラピストが嫌だから、きついから、治らなくても良いと思っている

逆説的デザイア: いきたいけれども失敗は怖い いきたいけれどもしんどいから気分が乗らない

 

など。

 

なお、デマンドに関してはかならず修正しないように心がけ、患者が表現した言葉をそのまま記載するように心がけること。

またその際の非言語・準言語の様子も同時に記載すると良い。それが判断した根拠となり得る。

ICFの評価の手順(大流れ)

  1. 活動を「実行状況」並びに「能力」に分けて評価する
  2. ニーズを確認しながら、多くの活動を集約した参加を評価する
  3. 活動に起因している身体構造、心身機能を評価する
  4. 基本3要素のつながりを確認した後、背景因子である個人因子、環境因子、健康状態を評価する
  5. 基本3要素と背景因子の関係性を表現する

 

※「活動」「参加」においては評価点を記載し、「環境因子」はプラスの因子、マイナスの因子を明確に分ける。

できる、している

できる=能力

している=実行状況

 

もともと有していない能力を新たに獲得することは、なかなか難解である。

Drのように侵襲的治療が可能で有れば、可能性も広がる。

ただし、多くの職種はそれが難しい。

 

ならば、本来有している能力を、具体的にしようできる状況に引き上げることは、対象者の能力拡大ならびに環境設定などにより、可能となる。

 

ICFの概念自体が「社会モデル」で有る以上、「医学モデル」からの脱却をしなくてはならない。

 

潜在能力の発掘、さらに定着化、この流れに介入できるのがコメディカルのアイデンティティーであると理解する必要があると思われる。

「活動」と「参加」の評価手順

「活動と参加」の分類はDomainという表記になり、「d」の頭文字が着いている

ただし、これは活動と参加に分けなくてはならない。

もちろん、活動で有ればActivityの「a」を、参加ならばParticipationの「p」をコード番号の頭につける。

 

なお、1章から順次評価するのではなく、下記の順番で評価すると、より具体的な生活機能の評価に行きつくことができる。

 

評価手順ーーーーーーーー

 

⑤セルフケア

  • セルフケアに関しては生活の基盤になる。この機能が不十分となればあらゆる場面に影響を及ぼすためにまずはじめに評価することが望ましい。評価は「活動」のみでよい。

 

⑥家庭生活

⑦対人関係

⑧主要な生活領域

⑨コミュニテイライフ・社会生活・市民生活

  • 6~9章はさらに生活の主たる目標になる項目である。「活動」にも「参加」にも評価することができ、対象者の特性が左右する。

 

③コミュニケーション

④運動・移動

  • 3~4章に関しては上記の5~9章に影響を及ぼす因子である。具体的な能力の改善点などを示唆するものであり、介入ポイントの把握に対して重要な項目である。「活動」のみの評価となる。

 

①学習と知識の応用

②一般的な課題と要求

  • 1~2章に関しては、3~9章全てに関係し、上記項目の評価においても介入ポイントやゴールなどが絞れなかった場合に、評価すると新たな視点で患者象を捕らえることができる。はじめから評価してしまうと全ての項目に関与してしまうため、問題の抽出が左右されかねない。最後のツメに場面で行うことが望ましい。「活動」のみの評価となる。

 

 

 

評価の深度

ICFにおいて深度は4段階ある。

 

大項目→中項目→小項目→細項目 となっている。

 

短期の評価にて指針を示す場合には大項目にて、さらに詳しく説明が必要な際には中項目にて。因果関係などを明確にしたい場合には小項目・細項目まで深めると良い。

評価当初から、細項目まで評価すると、全体を俯瞰することができないため、注意が必要である。

コード化と評価点

ICFのコードは、頭に英字1文字、その後にコード番号が最大で5桁並ぶ。

 

英字部分

 身体構造: Body 「b」

 心身機能: Functioning 「f」

 活動: Activity 「a」

 参加: Participation 「p」

 環境因子: Environmental 「e」

 

コード

 ○    ○○    ○    ○

大項目 中項目 小項目 細項目

 

コード番号のあとに「.(ドット)」を付与し、その後に評価点をつける

左から、第一評価点、第二評価点、第三評価点となる。

 

第一評価点: 実行状況

第二評価点: 支援なしでの能力評価

第三評価点: 支援ありでの能力評価

※「支援」とは、物的支援のことをさし、装具、車椅子、手すりなどを使用した場合を評価することになる。

 

例) a163.242 読むこと

読むことに関して、実行状況としては行ってはいるが人的支援が必要であり、本を読む際に特殊な用具を使用しているために、支援なしでは行えない。ただし物的支援が有れば人的介護を絵ながら本を読むことができる。

 

ICFを基盤にした症例報告用レジメ(案)

評価実習におけるレジメ案
評価実習におけるレジメ案
臨床実習レジメ案
臨床実習レジメ案

評価臨床実習 タイムスケジュール 4週間ver

ICFを基盤に行う実習タイムスケジュール

 

1day 現場の業務 並びに学生の役割分担理解 担当患者の紹介

2day 担当患者 「セルフケア」の実現場の評価

3day 「家庭生活」 「主要な生活領域」を本人・家族などに調査

4day 具体的な「コミュニティーライフ」 の調査

5day 「運動・移動」 「コミュニケーション」の評価

週末休み 上記評価項目を「現況概念」の作成

6day 「学習と知識の応用」 「一般的な課題と要求」の調査

7day デザイア、デマンド、プロブレムの調査

8day 具体的「参加」の設定

9day 介入ポイントの設定並びに因果関係の仮説

10day 検査・測定における仮説検証

週末休み 検証結果の精査

11day レジメの仮作成 補足評価の実行1

12day レジメ提出 第1回 修正 補足評価の実行2

13day レジメ提出 第2回 修正 補足評価の実行3

14day 症例報告会 アドバイスによる修正

15day レジメ最終提出

週末休み 具体的介入ポイントの思案

16day 治療介入の補助 効果検証

 終了まで くり返す

 

総合臨床実習 タイムスケジュール 6週間ver

1~10day 評価実習と同様

 

11day 「未来の概念」を作成

12day レジメ仮作成提出 修正 補足評価1

13day レジメ提出 第1回 修正 補足評価2

14day 症例報告会 アドバイスによる修正

15day 初期レジメ 最終提出

週末 具体的介入方略の思案

16day 介入開始 適時評価

継続 20day

週末 介入方略の再考

21day 新介入方略の提案 施行

22day 実施

23day 実施

24day 実施 介入ポイントの変化の評価

25day 実施 介入ポイントの変化項目の提出

週末 最終レジメの仮作成

26day レジメの提出 第1回 修正 介入実施

27day レジメの提出 第2回 修正 介入実施

28day 最終レジメ提出 報告会参加者へ配布 介入実施

29day 症例報告会 助言から考察の再構成

30day 介入実施 関係各部署、患者への謝辞

週末 校内症例報告会準備